• 福井市西谷の小児科クリニックです

    いわゆるカゼ、上気道炎の原因の一つです。皆さんご存知の様に冬季に流行します。発熱と、咳、鼻汁など通常のカゼと同様の症状に加え、倦怠感や筋肉痛など全身の症状が強いことが特徴です。残念ながら診察のみでの診断は難しく(典型的には後咽頭壁のイクラ状リンパ濾胞などありますが、目だなない患者様もいる様に感じます)、周囲の流行状況と迅速検査で診断することになります。

    迅速検査は発熱早期には陽性とならないことも多いので、発熱後1日、できれば半日以上たってからの検査が望ましいと思いますが、現在多く使用されている抗インフルエンザ薬(タミフル、イナビル等)は発熱後2日以上経過してしまっては効果が期待できないとされているので、検査のタイミングは逃さない様にしなければならないと思います。抗インフルエンザ薬を飲まなければ治らないような病気ではないのですが、実際は圧倒的に内服を希望される患者様が多いですね。

    抗インフルエンザ薬については今シーズンより『ゾフルーザ』なる新薬が登場します。作用機序は異なるのですが、効果の面では従来薬剤とそこまで変わらない様(少し早く効くらしいです。費用はやや高め)です。実際患者様へどのように説明したらよいか、今から悩ましいです。新薬というところで子供への使用を控える方もいらっしゃると思います。

    インフルエンザにかかってしまった際はしっかりと休養をとることがもっとも重要です。発熱後5日間かつ解熱後2日間(幼児は3日間)は集団生活を避けていたく必要もありますので、しっかりと水分を取りながらご自宅で安静に過ごしましょう。頻度は少ないですが脳炎,脳症という厄介な合併症もあるので、もし様子がおかしいようなことがあれば病院の受診をお願いします。

    またかからない様に予防接種を受けておくことも重要です。インフルエンザは毎年必ず流行します。残念ながら予防接種をしても発症してしまう方もおられますが、症状は軽くなりますので無駄にはならないと思います。自分も毎年予防接種をしているおかげか、インフルエンザの患者さんを何人も診療していますが、ここ数年インフルエンザにはかかっておりませんよ。