おねしょは寝ている間に作られるおしっこの量が尿を溜める膀胱の大きさより多い時に起こります。5歳でおねしょをしている子は5人に1人、10歳でも20人に1人はいると言われています。
ありふれたお子さんの症状ではありますが、年齢が上がると宿泊学習などもあり、ご本人も気にされることがあると思います。
一般的には小学生になってもおねしょが続いていて、お子様ご本人も「おねしょをしないようになりたい」と希望されている場合に「夜尿症」として治療を始めることが多いです。
治療としてはまず、生活習慣の確認と膀胱の大きさのチェックを行います。
寝る前2~3時間の間に摂取した水分が夜間の尿となりますので、その間、思ったよりたくさん水分を取っていないかを確認してみましょう。また、日中の水分摂取はおねしょには関係しないので、日中はしっかり水分を取って、寝る2~3時間前に喉が乾いていない状態を目指しましょう。
また、膀胱にどのくらいおしっこをためる事ができるか、その目安となる「がまん尿」の測定もしていただきます。1日1回、ギリギリまでおしっこを我慢して、どのくらいの量を貯められるか(どのくらいの尿が出るか)を計測します。1~2週間続けていただき、その平均をチェックします。体格の割に「がまん尿」の量が少ないと夜中に作られるおしっこを膀胱に溜めておけないのでおねしょになってしまいます。もし膀胱が小さくても「がまん尿」の習慣を続けていくと次第に膀胱は大きくなっていきます。
他に腎臓の病気が隠れていないかの尿検査や、便秘のチェック(便がいつもたくさん溜まっていると膀胱が圧迫されて尿を溜められる量が少なくなってしまいます)もします。
生活習慣の見直しだけで2~3割のお子さんに症状の改善が見られますが、なかなか改善の見られない場合はお薬を使用することもあります。夜間のおしっこを濃縮して量を減らす抗利尿ホルモンの作用をするお薬です。このお薬を飲んでいるときに水分をたくさん摂ると、不要な水分を体外に出すことが出来ず電解質異常を起こすことがあるので、寝る前の水分摂取量がきちんと控えられていることが必要です。
おねしょは自然になくなるものではありますが、治療を受けることによりもっと早くおねしょをしなくなることが期待できます。
2~3ヶ月のうちに効果の現れる方から、年単位でゆっくり改善される方まで色々ですが、おねしょが気になられる時はお気軽にご相談下さい。